10月第4週の振り返り

10月第4週(10/21-10/27)

フランス法文献講読

条はarticle(art.)で、項はalinéa(al.)である。フランス語もetを使うのでet aliīと混同しそうだ。A tandis que Bは「Bであるのに対しA」という訳もあるが、単に並列として「Aであると同時にB」とすることも多い。

フランスでも債権は法律から生じる債権(法定債権)と契約から生じる債権(定着していない呼称だが契約債権)の二種類からなる。

accord de volontés: 意思の合致(ドイツ法でいう意思表示)
responsable(n.m.): 責任主体

1370を年号の場合はmille trois cent soixante-dixと読むことが多いが、条文ではtreize cent soixante-dixと読むことが多いらしい。また法典の見出し(Titre)の番号は序数で読むとのことである。

日本では第123条、第123条の2、となっていくがフランスでは123の1条(123-1)、123の2条(123-2)と続く。

否定のneが必ずpasなど(なお北鎌フランス語講座を見てみたところこのpasは"歩み"のpasそのもので、「一歩も…ない」が原義だそうである)を伴えばよいのだがそうではないため、虚辞のneを見分けることが難しい。

il existe de ~では非人称のilとして「~がある」となり、しばしば前の文中の語を受けてil en existe de ~とする。

Primus, Secundusが日本語で言う甲、乙として使われている。stricto sensuという表現も別の文中で用いられておりラテン語に出会えて嬉しかった。

hypothèseは法学上は「ケース」として使われることが多い。

債権総論

債権者が(債権者・受領権者以外への)誤弁済によって利益を受けた場合、その限度で債務が消滅する。また受領権者としての外観を有し弁済者が善意無過失(注意義務を遂行)であった場合も例外的に債務の消滅が認められる。

弁済の受領者が受領権者でなかった場合は非債弁済となり、不当利得の返還請求を行う権利がある。ここで受領者が無資力であった場合のリスクは債務者が負う(返還を受けられず二重に弁済する)。

代物弁済は債権者と債務者双方の合意が必要である(改正で諾成契約であることが明示された)。

 債権譲渡によって債権者=弁済先が変更され、また契約債権であれば契約の相手方と債権者が異なることになる。債務の履行を請求するには譲渡人から債務者への通知か、債務者の承諾が必要で、譲受人からの通知では対抗要件を満たさない。譲渡前の通知は無効である(譲渡前の承諾は有効)。

従来は譲渡を「異議をとどめない承諾」することで抗弁の喪失が生じ得ていた(旧民468条1項)が、積極的に抗弁権を放棄する意思表示をしているわけでもないのに抗弁の切断が生じることは債務者にとって不利であり、債権法改正において削除された。

債権譲渡が第三者対抗要件を満たすには、確定日付のある証書による通知・承諾が必要である。ない場合で双方債務者対抗要件を満たす場合、どちらに弁済しても有効な弁済であり、弁済を受けられなかった側は受けた側に対抗(第三者対抗)できないので履行は拒絶できるというのが通説であるらしい。片方が第三者対抗要件を満たしている場合、満たさない(劣後する譲受人)側を拒絶しなければならず、弁済した場合二重弁済を行う羽目になる。

並列プログラミング

今週はない。

法医学

今週はない。

ネットワーク論

異なるルーティングプロトコルで異なる経路が指定された場合はEBGP>OSPF>IBGP>RIPという優先度が標準的(実装によって異なる)。

トランスポート層(L4)にはTCPUDPが該当する。ポート番号が重要となる。ポート番号はホスト上での宛先アプリケーションを示す。

TCPヘッダに含まれる情報としてデータ列の番号であるシーケンス番号がある。データの順番を示すものだが、推測可能にならないよう疑似乱数を使うことが多い。その理由は3-way handshakeでは相手のシーケンス番号に1を足してACKを返すのであるが、害意のある送信者が自分のIPアドレスを偽ってSYNを送り、SYN+ACKが偽IPアドレスに送られ害意の送信者には返ってきていないにも関わらず、SYN+ACKのシーケンス番号が推測可能であればそれに1を足してACKを送って通信を確立してしまうことが可能だからである。

L2を流れるフレームの中にFCSMACヘッダとペイロードがあり、例えばHTTP通信のペイロードにはL3のIPヘッダ、L4のTCPヘッダ、L7のHTTPヘッダとアプリケーションデータが入る。小さい塊から順番にHTTPパケット(データ+HTTPヘッダ)、TCPパケット、IPパケットと呼ばれる。

TCP/IPの階層としてはいくつかのOSIレイヤがまとめられ、ネットワークインタフェース層(L1/2 Ethernet等)・インターネット層(L3 IP)・トランスポート層(L4 TCP)・アプリケーション層(L5/6/7 HTTP等)と称される。

高速な通信のためには連続して送受信するデータの最大サイズ=Window sizeを大きくしたいが、相手の処理速度・輻輳によって小さくする必要も生じる。この輻輳制御アルゴリズムにはTahoe・Reno・Vegas・CTCPなどがある。

ICMPはpingで使われるが、本来はエラー制御を通達するためのものである。IPの機能の一部なのでL3プロトコルとされる。

シーケンス番号や初期Window size、正しくないTCPフラグを送った時の返答はOSの種類・バージョンごとに差異があり、OS Fingerprintと呼ばれ攻撃に利用される。