11月第2週の振り返り

11月第2週(11/4-11/10)

フランス法文献講読

Code de 1804: ナポレオン民法

n. + différent: さまざまな~

au sein de: ~の中に

de+無冠詞の時とdu/de la/desの時があるが、慣用的に熟語化している場合は冠詞がつかないように思われる(先生の談)。

フランス法においては契約の分類としてcontrat de gré à gré(談合契約:平等な立場で話し合って締結する)とcontrat d'adhésion(附合契約:一方が定めた条件を他方が呑む)が区別されている。またcontrat commutatif(等価交換契約:双方の提供するものが均衡している)とcontrat aléatoire(射幸契約:保険契約など提供するものが均衡でない)という有償契約の下部分類がある。これはそれぞれで扱いが異なるというよりは、違いを論じる際に用いるようである。さらに日本法のように契約の更新を行うのではなく、contrat-cadre(枠契約:継続的な契約を行うことを定める契約)とcontrat d'application(実施契約:個々の契約)で分かれており、時効の扱いで意味を持ってくる。

担保物権

一般債権者による債権回収には、債務名義の獲得が必要であり、また他の差し押さえ・配当を要求する債権者と平等に按分されるという制約がある。これに対して担保物権を用いると、物を留置(占有担保について、弁済されるまで預かる)・換価代金の優先弁済(非占有担保)が認められる。

担保物権のうち抵当権は、当該不動産が競売にかけられたとき優先的に弁済を受けられるもので、非占有担保である(設定後も債務者は不動産の利用を継続できる)。設定の要件は設定契約(「約定担保」)、および当然ながら被担保債権の存在である。

ところが継続的に融資を行っている場合など、毎回抵当権設定登記を行うのは不経済であるといった理由で設定される根抵当権はこの被担保債権の存在(成立における附従性)の例外である。

土地の抵当権は建物には及ばず、建物の抵当権は借地権に及ぶが、土地所有権には及ばない。

並列プログラミング

OpenMPは1ノードの中でできるだけ並列処理を行わせるものだが、大規模ノードを用いた複数プロセスによる処理では、ノード間通信のためMPIを必要とする。

MPI_Allgather関数はすべてのプロセスで同じ変数を共有するもので、行列-ベクトル積において各プロセスに分散されてしまった列ベクトルを集めて元に戻す時に使う。ただし今回は行列・ベクトルとも全てのプロセスに完全なものが存在する(データ分散しない)ものとしてノード間並列化を行う。そのため通信は行う必要がない。

自分のプロセスID、全プロセス数はMPI_Comm_Rankを呼び出して取得でき、これを(プロセス内の)グローバル変数とすることで関数内で呼び出せてプロセス間の分担が図れる。

y=Axを分担させるには、Aを小さな行群に分割しその一部だけを計算させることになる。すなわち0~N 0~NのところをmyProcID*N/procsCount~(myProcID+1)*N/procsCount 0~Nにする。1088プロセスで計算だけ(集計通信はせず)の処理速度は700倍ほどになった。

Nがプロセス数の倍数である保証はない。その場合素朴な案としては最後のプロセスだけmyProcID*N/procsCount~Nを計算させることが考えられるが、N=k(procsCount)-1であった場合、procsCount-1個のプロセスではk-1回計算、最後のプロセスだけk-1+procsCount回計算することとなり、プロセス数が増えれば増えるほど負荷が不均衡になる。そのため(N+procsCount-1)/procsCountとすることで商を切り上げ、不均衡を解消することが望ましい。

法医学

窒息には肺胞でのガス交換阻害(外窒息)だけでなく血液-組織間のガス交換阻害も含まれる(内窒息)が、法医学上は器械的に外窒息が引き起こされることを指すことが多い。窒息後仮死の段階で人工呼吸等の措置を行えば蘇生可能性がある。窒息の所見は急死の三徴(暗赤色流動血、内臓鬱血、粘膜の溢血点)と同一である。流動血は急死の際に生じる繊維素溶解酵素の増加現象による。

息苦しさは動脈血の二酸化炭素濃度に依存する。そのため低酸素環境では無自覚で卒倒し死亡することとなる。

胸郭圧迫による窒息は人混み、家屋倒壊などで生じる。鼻口閉鎖は特に乳幼児で布団などによって生じやすい。ただしSIDSとの鑑別が困難である。

気道内閉塞は異物または気道粘膜出血によって判断する。

扼死では静脈が閉鎖されるが動脈は完全に閉塞しないため顔面が鬱血する。また甲状軟骨骨折などがみられることもある。

溺死には反射的な咽頭痙攣による低酸素状態による乾性溺水、意識を失い水が肺に入る湿性溺水がある。多くの場合は後者である。肺には界面活性物質(サーファクタント)があり、淡水吸引時はこれが破壊され肺胞に障害をきたす。高カリウム血症も引き起こされる。また低張の状態となるため溶血が生じる。

海水吸引では逆に血漿が肺胞に引っ張られ肺水腫を起こす。溺死の診断には泡沫塊、溺死肺、プランクトン、血液比重・塩素イオン濃度などが用いられるが、確実な決め手がない場合も多く死因不明とせざるを得ない時もある。

ネットワーク論

関心を持って受講していた授業だったので、苦もなく簡単に見直しが終わり、試験も問題なく終えられた。秀相当の成績が取れていることを願う。